再利用と再使用の違い 医療現場での使い分け

医療用語の再利用と再使用の違いを解説。医療現場での正しい使い分けや、感染リスク、法的な取り扱いについて深掘りします。あなたは正しい使い分けができていますか?
再利用と再使用の違い 医療現場での使い分け
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同じ物をそのまま使う

再使用は洗浄・消毒して同じ目的で使う

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別の用途に使う

再利用は素材を変えて別の用途に使う

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医療現場の注意点

単回使用医療機器の再使用は禁止


再利用と再使用 違い

再利用と再使用の基本的な定義と意味の違い



「再利用」と「再使用」は似ているようですが、実は明確な違いがあります 。まず「再使用」とは、ある製品や物品を一度使用した後に、そのまま再び使用することを指します 。医療現場では、メスや鉗子などの手術器具を洗浄・消毒・滅菌処理を行い、再び同じ目的で使用することが典型的な例です 。


参考)https://chigai.jp/reuse-and-reuse-difference/
一方、「再利用」は、ある製品や物品を一度使用した後に、その素材や部品を別の製品に利用することを指します 。例えば、使用済みの医療機器を分解して、その金属部品を他の機器の製造に使用する場合などが該当します 。つまり、再使用は「同じ物をそのまま使う」、再利用は「別の用途に使う」または「素材として使う」という違いがあります 。


参考)https://ja.hinative.com/questions/16102288
この違いを理解することは、医療現場での適切な器材管理や感染予防措置において非常に重要です。例えば、単回使用医療機器を再使用することは、医療安全や感染防止の観点から厳しく制限されています 。


参考)https://www.pmda.go.jp/files/000148574.pdf


医療現場での再利用と再使用の実際の使い分けと具体例

実際の医療現場では、器材の種類や用途によって再利用と再使用が明確に使い分けられています。再使用可能な医療機器の例としては、以下のものがあります:

  • 🔹 手術用メスホルダー
  • 🔹 内視鏡(洗浄・消毒・滅菌処理後)
  • 🔹 手術用鉗子
  • 🔹 血圧計のカフ(適切な消毒後)

これらの器材は、製造メーカーが「再使用可能」と明記しており、適切な洗浄・消毒・滅菌処理を施すことで、繰り返し同じ目的で使用できます 。一方、再利用の例としては、使用済みのプラスチック製医療器具を粉砕して、他の工業製品の原料として使用する場合などが挙げられます。


特に注意すべきは、単回使用医療機器(SUD:Single-Use Devices)の扱いです。これらは、添付文書に「再使用禁止」と明記されており、使用後は廃棄することが義務付けられています 。それを再使用することは、医療事故や院内感染の原因となるため、厳禁とされています。



再利用と再使用における感染リスクと安全対策の視点

医療現場での再使用においては、感染リスク管理が最も重要な課題となります。適切な洗浄・消毒・滅菌処理がなされていない場合、患者間の交差感染や院内感染のリスクが高まります 。厚生労働省の通知でも、「感染の防止を含む医療安全の観点から、当該医療機器の製造販売業者が指定する使用方法を遵守するべきである」と明記されています 。


参考)https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10802000-Iseikyoku-Shidouka/0000095986_1.pdf
再使用医療機器の安全対策には、以下のプロセスが不可欠です:

  • 🔹 使用後の適切な前処理(血液や体液の除去)
  • 🔹 専門的な洗浄プロセス
  • 🔹 消毒または滅菌処理
  • 🔹 処理後の適切な保管
  • 🔹 使用前の最終確認

意外な点として、医療現場では「再使用可能」と表示されている器材であっても、使用回数や劣化状況によっては廃棄する必要がある場合があります 。これは、再使用の過程で器材の性能や安全性が低下する可能性があるためです。また、再使用を繰り返すことで、器材の表面に微細な傷が生じ、バイオフィルムが形成されやすくなるリスクもあります。


参考)https://dmd.nihs.go.jp/rsud_public/R2_report.pdf


再利用と再使用の法的な位置づけと院内感染対策の観点

再利用と再使用の使い分けは、単なる用語の違いだけでなく、法的な位置づけや院内感染対策の観点からも重要な意味を持ちます。医療機関における単回使用医療機器の再使用については、平成16年2月9日付け医政発第0209003号厚生労働省医政局長通知で「特段の合理的理由がない限り単回使用医療機器を再使用しないよう」と明確に指示されています 。


この通知は、独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センターにおいて、添付文書に「再使用禁止」と明記されている医療機器を再使用していた事例が報告されたことを踏まえて出されたものです 。この事例では、医療安全や感染防止の観点から重大な問題とされました。


また、医療機器の再使用に関しては、「医療機器に係る安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について」(平成19年3月30日付け医政指発第0330001号)でも詳細な規定があります 。医療機関は、これらの規定を遵守し、適切な器材管理と感染対策を実施する責任があります。



再利用と再使用の意外な視点:医療機器の再製造と持続可能性

ここで、あまり知られていない意外な視点として、「再製造医療機器」の概念について触れておきます。再製造医療機器とは、単回使用医療機器を回収し、洗浄・分解・部品交換・再組み立て・滅菌などの工程を経て、新品と同等の性能と安全性を確保した上で再使用する取り組みです 。


これは、通常の「再使用」とは異なり、メーカーが公式に再製造プロセスを確立し、新品と同等の品質保証を伴う特別なケースです。この取り組みは、医療費の削減と環境負荷の低減という二つの目的を同時に達成するものとして注目されています。
日本の厚生労働省も、令和2年度に「再製造SUD基準策定」のプロジェクトを推進しており、安全性と有効性を確保した上で、特定の単回使用医療機器の再製造を認める方向にあります 。これは、従来の「再利用」「再使用」の枠組みを超えた、新しい医療器材の管理モデルと言えるでしょう。



参考:医療機器の除染と再生処理に関する詳細な情報をお探しの方は、以下の資料をご参照ください。除染プロセスや再生処理の具体的な手順が記載されています。
医療施設のための医療機器の除染と再生処理(日本医療機器産業連合会)


参考:単回使用医療機器の再使用に関する厚生労働省の通知。医療機関での取り扱いについての公式なガイドラインが記載されています。
単回使用医療機器の取扱いについて(PMDA)

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