小児の気管支喘息は、気道に慢性的な炎症が起きる病気です。 炎症が続くと、咳やゼーゼー・ヒューヒューという呼吸、息苦しさを繰り返すようになります。 小児期で最も多い慢性疾患の一つで、適切な治療によりほとんどのお子さまが日常生活を問題なく送ることができます。
参考)気管支喘息(ぜんそく)の症状と治療|平塚市の小児科 高浜台内…
治療の目標は、発作をできるだけ少なくし、お子さんが毎日の生活を快適に過ごせるようにすることです。 そのためには、発作が起きたときに使う薬と、ふだんから使って発作を予防する薬を正しく使い分けることがとても大切です。
参考)子どもの喘息治療|発作を減らす薬の使い方と長期管理のポイント…
小児の気管支喘息の80~90%は、4~5歳までに初回発作があります。 そして約70%は思春期までに発作がなくなります。 適切な治療を続けることで、寛解または治癒を目指せます。
参考)小児科・思春期内科・小児アレルギー科 // みらいクリニック…
喘息の発作が起きたときには、呼吸を楽にするための薬をすぐに使うことが大切です。 発作治療薬は、気道をすばやく広げて症状を抑える薬です。
発作治療薬の種類
メプチンシロップは、服用してから30分〜1時間ほどで効果が現れ、約8〜12時間持続します。 朝と夕の2回の内服で、日中や夜間の発作に対応できるため、ご家庭でも使いやすい薬です。
吸入薬は即効性があり、症状を速やかに和らげます。 発作が強いときには、ステロイドの飲み薬を短期間(通常3〜5日間)だけ追加して使用します。
参考:第7章 小児気管支喘息の急性発作への対応 - 厚生労働省 発作時の対応について詳しく書かれています
長期管理薬は、日常的に発作を起こさないように予防する薬です。 気道炎症の抑制を目的とした治療が中心となります。
長期管理薬の種類
幼児(小学生未満)では吸入操作が難しいため、まずは飲み薬から開始し、症状に応じて治療を段階的に強化していきます。 ロイコトリエン受容体拮抗薬は飲み薬で、特に幼児期に使いやすいため、多く使用されています。
ただし、ロイコトリエン拮抗薬は喘息発作そのものをすぐに止める薬ではなく、発作の予防や長期的なコントロールを目的とした薬です。 通常、1〜2週間で効果が現れ始めますが、毎日継続して飲むことが大切です。
参考:ロイコトリエン受容体拮抗薬 気管支喘息治療薬 - JAPIC 用法・用量について詳しく記載
吸入ステロイド薬は、気管支喘息の長期管理における基本治療に位置付けられています。 ステロイドは副作用が出る怖い薬と思い込み、使用をためらう方も多いのですが、吸入のステロイド薬で強い副作用が出ることはほとんどありません。
吸入薬は、炎症が起きている気道に直接作用するため、全身への影響が少なく、内服や注射に比べて副作用のリスクが抑えられる治療法です。 1回の使用量は注射や内服薬の約1000分の1に設定されています。
吸入ステロイドの副作用
【局所的副作用】
参考)👦子供の喘息に吸入ステロイドは必要? 必要性と副作用の不安に…
【全身的副作用】
吸入後のうがいや歯磨き・スペーサーなどの補助具の使用により、局所的副作用は改善することができます。 身長に関しては、吸入ステロイド薬が必要な状態なのに使用しないほうが、気管支や肺の成長が抑制されます。
必要であれば吸入ステロイドを導入し気道の炎症をとり、漫然と続けずに症状が3か月安定していれば徐々にお薬を減量し、必要最低限の吸入ステロイド量・もしくは中止できるか注意深く診ていくことが大切です。
参考:子供の喘息に吸入ステロイドは必要?- かくたクリニック 吸入ステロイドの必要性と副作用について詳しく解説
吸入薬を正しく使うことは、治療効果を高めるために非常に重要です。 小児気管支喘息の治療では、吸入手技の向上が患者教育・パートナーシップの重要な要素です。
年齢別の吸入方法
【乳幼児(0〜2歳)】
【幼児(3〜5歳)】
【学童期(6歳以上)】
吸入すると、薬の微粒子は気道の粘膜に付着し、そこで直接作用します。 うがいをしても、患者さんによっては声がれなどが生じることがあります。 その場合は、薬の種類を変更するなど、対処できることもありますので、気になる症状があれば担当医に相談しましょう。
参考:小児喘息の吸入治療ガイド - しだこどもクリニック 吸入方法について詳しく解説
小児気管支喘息の治療ステップは、重症度・コントロール状態に応じて4段階に分類されます。 治療ステップは表8に示すように、適切な治療を選択します。
治療ステップの目安
【ステップ1】
【ステップ2】
【ステップ3】
【ステップ4】
小児気管支喘息の治癒率は50~60%で、寛解率を合わせると80~90%です。 軽症例では約60%が治癒し、中等症と重症では各約30%が治癒します。 発症後3~4年以内に来院し、治療を続けた患児の予後がよい為、治療は早期に開始した方がよいでしょう。
発症年齢と予後の関係は、発症年齢が低いほど特に生後6ヶ月以前の発症で予後が悪く、また逆に発症年齢が13歳以上になっても予後が悪くなります。 最終的には寛解・治癒を目指すが、日常の治療の目標を症状のコントロール、呼吸機能の正常化、QOLの改善に置くことが重要です。
参考:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020 - 日本小児アレルギー学会 治療ステップや寛解について詳しく記載
参考:喘息ガイドライン −小児− - 岐阜県医師会 小児喘息の診療指針
参考:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2023 - Minds 最新の診療ガイドライン