グリクラジド販売中止と経過措置の実務整理

グリクラジド販売中止と経過措置の全体像を整理し、代替薬選択や情報提供で何に注意すべきかを改めて確認してみませんか?

グリクラジド販売中止と経過措置のポイント

グリクラジド販売中止と経過措置の要点
📌
複数メーカーでの販売中止と時期

沢井、東和、ニプロ、日新など複数社のグリクラジド錠が在庫消尽をもって販売中止となり、経過措置終了は概ね2026年3月末と案内されています。

参考)https://med.sawai.co.jp/file/pr28_1398_1.pdf
📊
経過措置期間中の実務上の留意点

薬価基準上は経過措置品として残存しますが、在庫状況により早期に入手困難となる可能性があり、代替品への早期スイッチ計画が重要です。

参考)https://www.ajha.or.jp/topics/jimukyoku/pdf/241001_6.pdf
🧭
SU剤全体の位置づけと今後

SU剤の需要減少や設備老朽化に伴う製造終了が背景にあり、グリクラジドの販売中止は経口血糖降下薬の世代交代を象徴する動きともいえます。

参考)https://www.yg-nissin.co.jp/products/PDF/4435_4769_z1.pdf


グリクラジド販売中止と経過措置スケジュールの全体像



グリクラジド錠は先発品グリミクロンに加え、沢井、東和、ニプロ、日新など多数の後発品が販売されてきましたが、近年相次いで販売中止と経過措置入りの通知が出されています。


参考)https://med.nipro.co.jp/servlet/servlet.FileDownload?file=00PJ2000008QRYzMAO
例えばグリクラジド錠20mg/40mg「サワイ」は在庫消尽をもって販売中止とされ、経過措置期間満了は2026年3月(予定)と案内されています。


同様にグリクラジド錠20mg/40mg「トーワ」も、需要減少と製造設備老朽化を理由に在庫限りで販売中止とし、経過措置満了時期を2026年3月末と明示しています。


参考)https://med.towayakuhin.co.jp/medical/product/list_transitional/pdf?sort_column=product_kana&sort_order=descsort_order=desc" target="_blank" rel="noopener">Redirecting to https://med.tow…


ニプロもグリクラジド錠20mg/40mg「NP」を販売中止品とし、経過措置期限を2026年3月末日予定としています。


一方、日新製薬のグリクラジド錠20mg「日新」および40mg「日新」は、2023年3月に経過措置品目へ移行し、2024年3月末で経過措置終了・薬価削除とされており、一足早く市場から退いています。


これらを踏まえると、2024~2026年にかけてグリクラジド製剤のラインナップが段階的に整理されていく流れが明確であり、「まだ使える」と油断していると、施設内の在庫や地域薬局で突然の欠品に直面するリスクが高いことがわかります。



厚生労働省の薬価基準関連資料では、多数の経過措置品目が令和8年3月頃に経過措置に移行し、令和9年3月末まで経過措置期間とする枠組みも提示されており、グリクラジドの経過措置もこの「3月末区切り」のスキームに乗っていると理解すると把握しやすくなります。


参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655200.pdf
経過措置期間中は薬価基準上の収載が続きますが、製造販売業者はあくまで「在庫消尽をもって販売終了」というスタンスであり、実際の供給は在庫と需要のバランスに大きく左右されます。


そのため、医療機関側は経過措置終了ギリギリまで待つのではなく、少なくとも1年前から代替薬への計画的な切替スケジュールを院内で共有しておくことが重要です。



メーカー別の経過措置情報の確認には、各社の医療関係者向けサイトに掲載されている経過措置品目一覧が有用です。


参考)Redirecting to https://med.tow…
沢井製薬の経過措置品目一覧では、グリクラジド錠20mg/40mg「サワイ」を含む各品目について、経過措置期間や代替品情報が整理されています。


参考)経過措置品目|製品情報|沢井製薬
東和薬品の「販売中止品目一覧」では、グリクラジド錠20mg/40mg「トーワ」が2026年3月31日販売中止と明記されており、他のSU剤の動きと合わせて把握するのに役立ちます。



東和薬品「販売中止品目一覧」:グリクラジド「トーワ」を含む販売中止品と日付の確認に有用です。
東和薬品:販売中止・経過措置品目一覧


グリクラジド販売中止と経過措置に伴う代替薬選択と処方変更の考え方

販売中止通知では、グリクラジド40mg製剤についてはグリミクロン錠40mgが代表的な代替候補品として明示されていますが、20mg製剤については「代替候補品はない」とする通知が複数見られます。


沢井製薬の案内でも「代替製品(同一成分)」として他社のグリクラジド40mgが挙げられている一方で、20mg製剤の代替品は存在しないと明記されており、用量調整は40mg錠の分割や他クラス薬への切替で対応せざるを得ません。


ニプロの通知でも、グリクラジド錠40mg「NP」の代替候補品として先発品グリミクロン錠40mgを示しつつ、20mg製剤については代替候補品の記載がない点が共通しています。



東和薬品の資料では、グリクラジド錠20mg/40mg「トーワ」の中止理由として、「SU剤としての需要減少」と「20mg製剤の製造設備老朽化に伴う閉鎖」を挙げており、今後も20mgなどの細かい用量のSU剤が縮小していく可能性を示唆しています。


実務上は、グリクラジド20mgを服用している患者について、同一成分の40mg製剤への単純なスイッチは困難であり、他のSU剤(グリベンクラミドやグリメピリド)あるいはDPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬など、低血糖リスクの低い薬剤への切替を検討する必要があります。
近年の2型糖尿病治療ガイドラインでは、SU剤は「低血糖リスク」や「体重増加」の観点から、第一選択薬としての位置づけが相対的に低下しており、メトホルミンやSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬などへのシフトが推奨される場面が増えています。


特に高齢者では、グリクラジドを含むSU剤による遷延性低血糖がQOL悪化や転倒リスク増大につながることが知られており、販売中止をきっかけに、安全性の高い薬剤への切替を前向きに検討する好機と捉えることもできます。
グリクラジドはSU剤の中では比較的低血糖リスクが低いとされるものの、腎機能低下例や食事摂取不良の患者では低血糖が問題となり得るため、代替薬へのスイッチ時にはHbA1cだけでなく、既往低血糖歴や生活パターンを踏まえた個別調整が必須です。
また、グリミクロン40mgへのスイッチを選択する場合であっても、薬価差や1錠あたりの負担額、処方日数制限などを含めて、患者負担やレセプト上の影響を確認しておくとトラブルを避けやすくなります。



ニプロの通知では、グリミクロン錠40mgの薬価や包装単位が具体的に記載されており、経過措置期間中に同一成分でのスイッチを検討する際の参考情報となります。


一方で、すでに日新製薬のグリクラジドは2024年3月で経過措置終了・薬価削除となっているため、「同じ銘柄で継続したい」という患者の希望には応えられず、代替薬への変更理由や安全性について丁寧な説明が求められます。


こうした背景を踏まえ、施設ごとの標準的な切替方針(例:グリクラジド20mg→グリメピリド0.5mg+DPP-4阻害薬追加など)をあらかじめ薬剤部と糖尿病専門医で合意しておくと、経過措置終了前後の混乱を防ぐことができます。


沢井製薬「経過措置品目」:グリクラジド「サワイ」を含む代替薬情報の確認に有用です。
沢井製薬:経過措置品目一覧


グリクラジド販売中止と経過措置における情報提供と薬局・病院間連携

グリクラジド販売中止と経過措置に際しては、医師だけでなく薬剤師、看護師、医事・クラークまで含めた多職種での情報共有が重要です。
販売中止の一次情報は多くの場合、製薬企業からのFAXや医療関係者向けサイトのPDFとして提供されるため、これを医局内だけに留めず、薬剤部や病棟、外来受付などに展開する仕組みを整えることが必要です。


特にグリクラジドのように複数メーカーがほぼ同じタイミングで経過措置に入るケースでは、「どの銘柄ならまだ入るのか」「いつまで薬価が付くのか」といった現場の疑問が多数生じるため、一覧表などで整理して共有すると実務負担を軽減できます。


薬局側では、経過措置品目の在庫管理と代替品の備蓄計画が大きなテーマとなります。
東和薬品や沢井製薬の販売中止・経過措置一覧では、販売中止日・経過措置満了日・代替品などが一括して確認できるため、薬局の在庫管理システムやExcel台帳に転記しておくと便利です。


また、経過措置期間中は「銘柄変更不可」や「先発指定」が処方箋に記載されている場合、在庫状況によっては調剤困難となるため、早い段階で医療機関へ処方内容変更の相談を行う体制も求められます。


患者への情報提供では、「販売中止=薬が危険になった」という誤解を与えないように注意が必要です。
東和薬品の通知にあるように、販売中止の理由は「需要減少」や「製造設備老朽化」による製造中止であり、必ずしも安全性の問題が原因ではありません。


そのため、「薬の性質が急に変わったわけではなく、より新しい薬や安全性の高い薬が広く使われるようになったため、古い薬の生産を順次終了している」といった文脈で説明すると、患者の不安を和らげることができます。


一方で、経過措置終了間際に処方を継続したままにしておくと、急な欠品や薬価削除により、患者が薬局で「急に薬が変わった」と感じて混乱する可能性があります。
医療機関と薬局が連携し、経過措置終了の半年~1年前から、対象患者に対して順次切替を進め、説明文書やお薬手帳シールなどを活用して変更内容を可視化することが望まれます。
経過措置終了後はレセプト審査上も注意が必要であり、薬価削除後の旧薬名での請求が認められない点を医事課と共有しておくことも重要なポイントです。


参考)http://www.mediclerk.co.jp/fax/20260304haishi.pdf


全国病院関係資料:経過措置品と薬価削除時期の整理に参考になります。
令和8年3月31日限りで廃止となる経過措置医薬品一覧


グリクラジド販売中止と経過措置をめぐるSU剤の位置づけと治療戦略の見直し

グリクラジド販売中止の背景には、個々のメーカー事情だけでなく、SU剤全体の需要減少という大きな潮流があります。


東和薬品の通知では「本剤はスルホニルウレア系経口血糖降下剤(SU剤)ですが、本剤の需要は減少しております」と明記されており、日新製薬の通知でも、長年使用されてきたにもかかわらず販売中止に至った経緯が述べられています。


これは、DPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬などの新規薬剤が普及し、安全性と臓器保護効果を重視した治療戦略が主流になってきたことの反映といえます。


グリクラジドは、SU剤の中では比較的選択性が高く、グリベンクラミドなどに比べて低血糖リスクが低いとする報告もありますが、それでも高齢者や腎機能低下例では慎重投与が求められます。
販売中止と経過措置を契機として、「そもそも当院でSU剤をどのような位置づけで使うべきか」「どの患者には別クラスへの切替を検討すべきか」を施設として整理することは、単なる薬剤スイッチを超えた価値があります。
例えば、心血管疾患既往のある患者ではSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬が推奨されるケースが多く、グリクラジドからのステップアップとして、より予後改善効果が期待できるレジメンに移行する選択肢も考えられます。


興味深い点として、グリクラジドは一部の研究で心血管安全性に関する良好なデータが示されており、他のSU剤に比べてプロファイルが良好とされる側面もあります。
そのため、グリクラジドをあえて継続してきた施設や医師にとっては、販売中止は「やむを得ず他剤へ移行する」タイミングとなり、代替薬選択においては血糖コントロールだけでなく心血管リスクや腎機能を総合的に評価することが求められます。
経過措置終了までの間に、エビデンスに基づいた施設内プロトコル(例:高齢者・CKD・心血管疾患別の推奨レジメン)を整備しておくと、現場の処方判断が標準化されやすくなります。


もう一つの視点として、グリクラジド販売中止は「残存する他のSU剤」の位置づけにも影響を与えます。
例えば、グリベンクラミド製剤も一部で販売中止や経過措置入りが進んでおり、SU剤クラス全体が徐々に縮小していく可能性が高いと考えられます。


この流れを踏まえると、短期的にはグリミクロンなど他のグリクラジド製剤へのスイッチでしのぎつつ、中長期的にはSU剤依存のレジメンからの脱却を意識した治療設計が必要になるでしょう。


グリクラジド販売中止と経過措置に対する医療機関独自の対応策・チェックリスト

検索上位の記事では販売中止日や経過措置終了日、代替品の紹介にとどまることが多いですが、実際の現場では「誰がいつ何を確認するか」という運用レベルの整理が不可欠です。
グリクラジド販売中止に関して、医療機関として独自に準備しておきたいチェックリストの例を挙げると、以下のような項目が考えられます。


  • グリクラジド処方患者のリストアップ:電子カルテやレセコンから、グリクラジド処方患者を抽出し、外来・入院別に整理する。
  • 経過措置終了までのタイムライン確認:各メーカーの経過措置終了日(多くは2026年3月末)と、院内採用銘柄の在庫見込みを照合する。

  • 代替薬の標準レジメン決定:年齢、腎機能、合併症などに応じて、第一候補・第二候補の代替薬をあらかじめ決めておく。
  • 医師向け周知:院内メールやカンファレンスで、グリクラジド販売中止と経過措置の概要、代替薬方針を共有する。
  • 薬剤部・薬局の在庫戦略:経過措置終了前後の需要ピークを想定し、過剰在庫と欠品の両方を避けるように発注・在庫量を調整する。
  • 患者説明用資料の作成:薬剤変更の理由や新しい薬の特徴をわかりやすくまとめたリーフレットやテンプレート文書を用意する。
  • レセプト・DPCへの影響確認:薬価削除時期と請求上の注意点を医事課と共有し、監査での指摘リスクを低減する。

  • フォローアップ体制:切替後の初回受診時に低血糖や血糖コントロール悪化の有無を必ず確認する運用を決める。


このようなチェックリストを用意しておくと、経過措置終了が近づいたタイミングで慌てず、組織として一貫した対応が取りやすくなります。
また、院内での取り組みを振り返ることで、今後別の薬剤が販売中止・経過措置入りした際の「テンプレート」として再利用できる点も実務的なメリットです。
グリクラジド販売中止は、単なる一製品の廃止に留まらず、施設全体の薬剤管理・情報共有・治療戦略を見直すきっかけとして活用できるテーマといえるのではないでしょうか。


厚生労働省資料:経過措置品目の取り扱いと期間設定の考え方の参考になります。
薬価基準から削除する品目及び経過措置期間関連資料

アースノーマットロング 1プッシュ式スプレー 24時間持続 蚊取りスプレー ワンプッシュ 屋内 蚊 対策 駆除 蚊除け 300日 防除用医薬部外品