エフェドリンを連続投与すると、効果が10分足らずで半減します。

エフェドリンはα受容体とβ受容体の両方に直接作用します。同時に、交感神経終末からノルアドレナリンを遊離させる間接作用も持っています。この2つの作用が最も重要とされています。
参考)https://www.nichiiko.co.jp/medicine/file/55170/information/25-002A.pdf
さらに再取込み阻害やMAO(モノアミン酸化酵素)阻害という機序も報告されていますが、こちらは補助的なものです。つまり主役は直接刺激と遊離作用の2つということですね。
アドレナリンとの大きな違いは中枢興奮作用があること、そして経口投与が可能な点です。臨床現場でイメージしやすいのは、アドレナリンが注射薬中心なのに対し、エフェドリンは錠剤としても使える点です。この経口投与可能という特性が、気管支拡張薬や鎮咳薬として広く使われてきた理由の一つです。
参考)ヱフェドリン「ナガヰ」注射液40mgの効能・副作用|ケアネッ…
エフェドリン塩酸塩注射液の添付文書情報(効能・薬効分類)はこちら
甲状腺機能亢進症の患者では症状が悪化するおそれがあるため注意が必要です。高血圧症の患者にも本剤の血圧上昇作用が悪影響を与えます。
心疾患のある患者では心刺激作用が問題になります。糖尿病の患者では血糖上昇のおそれがあり、緑内障の患者では眼圧上昇のリスクがあります。前立腺肥大症の患者では排尿障害が悪化するおそれもあります。
つまり循環器・内分泌・眼科・泌尿器の既往歴チェックが原則です。問診票だけでなく、既往症リストと投与前に必ず照合することをおすすめします。電子カルテのアラート機能を設定しておけば、確認漏れを防ぎやすくなります。
意外ですね。エフェドリンは比較的短時間で薬剤耐性(タキフィラキシー)を生じることが知られています。これはアドレナリンと大きく異なる点の一つです。
どういうことでしょうか? 手術中の血圧管理で同じ用量を繰り返し投与すると、初回と同じ効果が得られなくなるケースがあるということです。つまり2回目・3回目の投与では昇圧効果が鈍くなる可能性があるということですね。
この現象を知らないと、効果が出ないからと安易に用量を増やしてしまうリスクがあります。結論は、繰り返し投与で反応が弱まった場合は、別系統の昇圧薬(フェニレフリンなど)への切り替えを検討することです。麻酔記録アプリで投与回数と反応をメモしておくと、次回以降の判断材料になります。
使用場面としては、麻酔導入時の血圧低下対応や気管支喘息に伴う咳嗽など複数あります。それぞれで投与量や投与経路が異なる点に注意が必要です。
α受容体作動薬のネオシネジン(フェニレフリン)との違いを理解しておくことも大切です。ネオシネジンは主に血管収縮のみに働きますが、エフェドリンは心拍数上昇も伴う点が異なります。
参考)【エフェドリンってなに?】作用と使用場面、ネオシネジンとの違…
どういう状況で使い分けるべきか迷う場合は、心拍数低下を伴う低血圧かどうかを確認するのが基本です。心拍数が低下している場面ではエフェドリンが選ばれやすい傾向があります。この判断基準だけ覚えておけばOKです。
くすりのしおり(患者向け情報)で用法・注意点をわかりやすく確認できます
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