チトクロームcは「劇薬・危険物」だから厳重な特別保管棟が必須、と思い込んでいませんか?実はGHS分類基準に該当せず、常温常圧で保管できる物質です。

チトクロームcのSDSを見ると、多くの人が想像するような「危険」「有毒」というラベルは出てきません。実際のSDSでは「GHS分類基準に該当しない」と明記されており、注意書きも設定されていません。
消防法上の危険物にも該当せず、毒物及び劇物取締法の対象外です。特定化学物質障害予防規則や有機溶剤中毒予防規則にも非該当となっています。
つまり法律上の厳格な管理義務は発生しない、ということですね。
ただし、これは「何の対策もいらない」という意味ではありません。粉じん爆発の可能性がある可燃性固体として分類されるため、微細な粉末が舞い上がる環境では注意が必要です。実験室で大量に粉末を扱う場面→静電気や火花による粉じん爆発リスク→対策として接地された作業台やアース付き器具の使用を確認する、という流れで管理するのが安全です。
SDSの毒性情報セクションには、ラットを用いた急性毒性試験の数値が記載されています。経口投与でのLDLo(最小致死量)は10,000mg/kgという非常に高い値です。
これは体重60kgの人間に換算すると600g、ペットボトル飲料の中身1本分に相当する量を一度に摂取しないと致死作用が出ない計算になります。腹腔内投与のLD50(50%致死量)も6,250mg/kgと高く、経口・経皮ともに具体的なデータが「なし」とされる部分も多いです。