
アトロピンは、副交感神経節後線維終末部と中枢のムスカリン受容体に作用し、アセチルコリンの働きを競合的に遮断します 。このため、消化管、胆管、膀胱、尿管などの平滑筋の攣縮を和らげ、唾液や胃液、気管支粘液の分泌を抑えます 。医療従事者向けには「副交感神経のブレーキを外す薬」と理解すると整理しやすいです 。
参考)https://medical.terumo.co.jp/sites/default/files/assets/medicine/a/pdf/TM-00001698-001.pdf
心臓では低用量で徐脈が先行することがあり、高用量では心拍数を増加させます 。そのため、迷走神経性徐脈や房室伝導障害で使われる一方、投与量の見極めが重要です 。また、唾液分泌抑制、散瞳、調節麻痺といった抗コリン作用が臨床上の目立つ反応になります 。
参考)https://www.japic.or.jp/mail_s/pdf/25-02-1-03.pdf
副作用としては、散瞳、視調節障害、口渇、便秘、排尿障害、心悸亢進、記銘障害などが報告されています 。重大な副作用としてショック、アナフィラキシーが記載されており、頻脈や潮紅が前駆サインになることがあります 。禁忌は閉塞隅角緑内障、前立腺肥大による排尿障害、麻痺性イレウス、成分過敏症です 。
抗コリン作用を持つ薬剤、三環系抗うつ剤、フェノチアジン系薬剤、抗ヒスタミン剤などでは作用が増強しやすいです 。MAO阻害剤で作用増強、ジギタリス製剤では中毒リスク上昇、PAMでは薬効発現遅延が示されています 。併用薬の見落としは、口渇や尿閉だけでなく循環器系の問題にもつながるため、薬歴確認が重要です 。
救急領域では、症候性徐脈や有機リン系殺虫剤中毒での使用が重要な位置を占めます 。注射後の作用発現は静注で速く、筋注では数分から数十分かかるため、緊急度で投与経路の意味合いが変わります 。さらに、PFS製剤は投薬準備を短縮し、取り違えや汚染リスクの低減に役立つ点が臨床上の実務的な利点です 。
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テルモの医薬品インタビューフォーム
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