アネキシンV染色の核心は、アポトーシスの早期に起こる細胞膜外葉へのPS露出を捉えることです。正常細胞ではPSは膜内側に偏在していますが、アポトーシスが進むと膜の非対称性が崩れ、アネキシンVが結合できるようになります 。このため、アネキシンVは「細胞が死にかけているか」を早く拾うのに向いています。
Annexin Vの生理的意義を説明した論文では、PS露出が炎症や凝固にも関係することが示されており、単なる染色法以上の意味を持つことがわかります 。
参考)Annexin V, the regulator of ph…
アネキシンVとPIの組み合わせは、細胞死を4象限で読む実務的な方法として広く使われています。Annexin V陰性・PI陰性は生細胞、Annexin V陽性・PI陰性は初期アポトーシス、Annexin V陽性・PI陽性は後期アポトーシスや二次壊死、Annexin V陰性・PI陽性は膜障害が強い壊死として解釈されます 。フローサイトメトリーでは、補償設定とコントロールが重要で、未染色、Annexin V単染、PI単染をそろえるのが基本です 。臨床検体や一次細胞では細胞集団のばらつきが大きく、同じ条件でも見え方が変わるため、ゲート設計を雑にしないことが大切です。
参考)https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/sba_20121018.asp?entry_id=10075
標準的な手順は、冷PBSで洗浄した細胞を1X binding bufferに再懸濁し、Annexin VとPIを加えて暗所で室温反応させ、その後すぐ測定する流れです 。binding bufferにはHEPES、NaCl、CaCl2が含まれ、Annexin VのPS結合にCa2+が必要です 。PI量は細胞種や系によって最適値が異なり、2〜10 µl/testの範囲で調整されることがあります 。接着細胞ではトリプシン処理が影響する場合があるため、過度な剥離で膜損傷を起こさない工夫も必要です。測定は1時間以内が推奨され、時間が空くほど解釈がぶれやすくなります 。
細胞死判定の標準的な考え方を押さえるなら、古典的レビューと改良プロトコルの両方を見るのが近道です。Annexin Vの基礎はPS露出を扱うレビューで整理され、PI併用の実務は定量化プロトコルで理解しやすくなります 。日本語の製品情報では、キット構成、励起・蛍光波長、染色判定の読み方がまとまっており、実験前の確認に向いています 。日本語の製品解説では、Annexin V-FITCとPIの色分けが簡潔に整理されています 。
日本語の技術解説では、Annexin VとPIの染色パターンが図解されています 。