アクネ桿菌とアクネ菌違い医療現場で知る常在菌の実態

アクネ桿菌とアクネ菌は同じ菌なのに呼び名が違う理由をご存知ですか?医療従事者が押さえておきたい分類・学名の変遷を解説します。あなたの理解は最新ですか?

アクネ桿菌とアクネ菌違い

アクネ菌は実は「良い菌」で、除菌すると肌トラブルが悪化することがあります。


参考)Q.18ニキビ菌について詳しく教えてください。


アクネ桿菌とアクネ菌の違い
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実は同じ菌を指す呼称

「アクネ桿菌」と「アクネ菌」は形態と俗称の違いで、学名はどちらもCutibacterium acnesです。

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2016年に学名が変更

以前はPropionibacterium acnesと呼ばれていましたが、遺伝子解析でCutibacterium属に再分類されました。

常在菌として肌を守る役割

過剰増殖でニキビの原因になりますが、通常は肌を弱酸性に保ち病原菌の侵入を防ぐ働きを持ちます。


アクネ桿菌の名称と学名の変遷



アクネ桿菌という呼び方は、顕微鏡で見た際の形状(棒状=桿菌)に由来する名称です。


参考)細菌叢&#1250…


長さは約1〜5マイクロメートルで、これはウイルスの数十倍というサイズ感です。学名は当初Propionibacterium acnesでしたが、2016年に遺伝型・表現型の違いからCutibacterium acnesへと変更されました。


参考)https://www.sugiyama-gen.co.jp/cms_Gm8xy6aA/wp-content/uploads/2022/06/202201131538105132.pdf


つまり呼び名の違いは、命名時期や視点(形態か俗称か)による差ということですね。


医療従事者向けの資料や文献では、旧学名表記が残っているケースもあるので注意が必要です。カルテや論文を確認する際は、発行年を見て学名の新旧を判断すると誤解を防げます。


アクネ菌の分類学的位置づけと桿菌との関係

アクネ菌は分類学的には「放線菌」の仲間に属します。


参考)いいヤツ?いやなヤツ!? ニキビの原因「アクネ菌」|ナイト(…


放線菌は抗生物質の生産で知られる菌群で、これは薬剤耐性の議論にも関わってくる重要なポイントです。形態的には菌糸状にならない桿菌に分類され、グラム陽性・通性嫌気性という特徴を持ちます。


参考)キューティバクテリウム アクネス


さらに詳しく見ると、アクネ菌は遺伝学的に3つの亜種に分けられます。



  • C. acnes subsp. acnes:ざ瘡(にきび)の病態と関連
  • C. acnes subsp. defendens:皮膚の健康維持に関連
  • C. acnes subsp. elongatum:形態が異なるタイプ


亜種によって役割が違うということですね。この分類を知っておくと、患者説明の際に「アクネ菌=悪者」という単純化を避けられます。


アクネ桿菌の皮膚常在数と検査時のポイント

皮膚1平方センチメートルあたり、綿棒で強く擦ると5万〜10万個のアクネ菌が検出されます。


参考)http://www.kanazawa-med.ac.jp/~kansen/situmon2/nikibi-kenkisei.html


これは東京ドームのグラウンド面積に匹敵する数の細菌が、わずか切手一枚分のスペースに存在するイメージです。顔面や肩甲骨の間には特に多く存在し、逆に手のひらにはほとんど検出されません。



思春期に皮脂分泌が増えると、アクネ菌の数もピークに達します。


検査で菌数を評価する際は、採取部位による差を踏まえて解釈する必要があります。培養キットや簡易検査アプリを使う場合も、部位情報を必ず記録することをおすすめします。


アクネ桿菌による炎症メカニズムと臨床対応

アクネ菌は通常無害ですが、過剰増殖すると分泌する酵素(リパーゼ)や代謝産物(プロピオン酸など)が組織に悪影響を及ぼします。



免疫反応が起こり炎症が進むと、赤ニキビや黄色い膿を伴う重症化につながります。最終的にブドウ球菌などの他の細菌も増殖すると、抗生物質による治療が必要になるケースもあります。



炎症が進行すると自然治癒が難しくなります。


近年は薬剤耐性アクネ菌の存在も報告されており、抗菌薬の選択には注意が必要です。耐性菌のリスクを把握したい場合は、最新のガイドラインを定期的に確認する行動をおすすめします。


参考)https://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20210420091120.pdf


薬剤耐性アクネ菌とざ瘡治療の関係を詳述した専門資料


アクネ菌研究における独自視点意外な役割

アクネ菌は単なる悪玉菌ではなく、殺菌力のある脂肪酸を作って他の病原性の強い細菌の増殖を抑える防御機能を持ちます。



除菌ではなく「バランス管理」が原則です。


この視点は患者指導の際にも活用できます。過度な洗浄や殺菌剤の使用が常在菌バランスを崩す可能性を説明する際の根拠として役立ちます。

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