アクネ桿菌とアクネ菌の違いと特徴・分類・治療を解説

「アクネ桿菌」と「アクネ菌」、実は呼び方だけの違いなのでしょうか。学名変更の経緯や亜種分類、臨床現場で押さえておきたいポイントを整理しました。診療説明に自信が持てていますか?

アクネ桿菌とアクネ菌の違い

あなたが除菌するほど、肌荒れは悪化します


3ポイント要約

🧬

名称の違いは呼び方だけ


アクネ桿菌とアクネ菌は同一の細菌を指す呼称で、学名はキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)です。


参考)Q.18ニキビ菌について詳しく教えてください。

📅

2016年に学名が変更


かつてはPropionibacterium acnesと呼ばれていましたが、2016年の分類見直しでCutibacterium acnesに変更されました。


参考)細菌叢&#1250…

⚖️

善玉と悪玉が同居する菌


アクネ菌は3つの亜種に分かれ、ざ瘡に関わるタイプと肌の健康維持に関わるタイプが混在しています。


参考)https://www.sugiyama-gen.co.jp/cms_Gm8xy6aA/wp-content/uploads/2022/06/202201131538105132.pdf


アクネ桿菌の名称の由来と呼称の変遷



アクネ桿菌」と「アクネ菌」は、医療従事者の間でもしばしば別物と混同されがちな呼び方です。しかし実際には同じ細菌を指しており、「桿菌」は形状(棒状の細菌)を表す一般的な分類用語にすぎません。顕微鏡で見るとこん棒状に見えるグラム陽性の桿菌であることから、この名前がついています。


参考)http://www.kanazawa-med.ac.jp/~kansen/situmon2/nikibi-kenkisei.html


つまり呼び方の違いということですね。


正式な学名はキューティバクテリウム・アクネス(Cutibacterium acnes)で、以前はプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)という学名で広く知られていました。この旧学名は今も一部の論文や教材、古い薬剤添付文書などに残っており、若手スタッフが検索する際に混乱を招くケースがあります。カルテや患者説明資料を作成する際は、どちらの表記も同一菌を指すことを補足しておくと誤解を防げます。


参考)細菌叢&#1250…


アクネ菌の学名変更2016年の経緯と亜種分類

2016年、遺伝型・表現型の違いに基づく分類見直しが行われ、ヒトの皮膚(cutis)に由来する菌種としてCutibacterium属が新設されました。この際、旧来のP. acnesはC. acnesとして再分類され、さらに遺伝学的に3つの亜種に細分化されています。



具体的には、ざ瘡(にきび)の病態と関連するとされる「C. acnes subsp. acnes」、皮膚の健康維持に関連するとされる「C. acnes subsp. defendens」、形態の異なる「C. acnes subsp. elongatum」の3種類です。この分類を知らないと、患者に「アクネ菌は悪い菌」と一律に説明してしまいがちです。



亜種によって役割が違う、というのが重要なポイントです。


学術的にはさらに66種類ものタイプに細分化できるという報告もあり、大別すると悪玉が2種類、善玉が1種類という整理も存在します。診療説明では「アクネ菌=悪玉菌」と単純化しすぎず、菌株レベルでの多様性に触れることで、より正確な患者指導につながります。


参考)https://aizawa-hifuka.jp/acnecare/cause/cause-129/


アクネ桿菌が皮膚常在菌として担う役割

アクネ菌は表皮ブドウ球菌と並ぶ代表的な皮膚常在菌で、ニキビができる人だけでなく、ほとんどすべての人の皮膚・毛穴に生息しています。皮膚1平方センチメートル(切手1枚分ほどの面積)を強く擦って培養すると、5万〜10万個ものアクネ菌が検出されることが分かっています。



これは常在菌としてはかなり多い部類です。


善玉としての側面では、皮脂を分解して脂肪酸を作り出し、肌表面を弱酸性に保つことで、より病原性の強い細菌の増殖を抑える防御機能を果たしています。一方で皮脂の過剰分泌や毛穴の閉塞が起こると、同じアクネ菌が過剰増殖してリパーゼプロピオン酸などの代謝産物を作り、炎症性の赤ニキビを引き起こす原因菌にもなります。善悪どちらの顔も持つ、という説明が患者理解を助けます。



アクネ桿菌の増殖と嫌気性という性質のメリット

アクネ菌は通性嫌気性菌という性質を持ち、酸素の少ない毛穴の奥深くを好んで増殖します。一方で酸素を分解する酵素も備えているため、皮膚表面に出てきても生存・増殖できる柔軟性を持っています。



酸素の有無を問わず生き延びる、しぶとい菌ということですね。


思春期には性ホルモンの分泌増加に伴い皮脂腺の働きが活発化し、アクネ菌の数はライフステージの中でピークを迎えます。この時期に過度な洗顔やアルコール系収れん化粧品で皮脂を取り除きすぎると、常在菌バランスが崩れて逆に肌荒れが進むリスクがあります。皮膚のバリア機能を評価する際は、皮脂量だけでなく常在菌叢の状態も合わせて確認できる皮膚水分計・皮脂量測定器の活用が実務上役立ちます。



アクネ桿菌の耐性化という見落とされがちな臨床課題

近年、抗菌薬治療の普及に伴い、アクネ菌の中に薬剤耐性を獲得した菌株が増えていることが指摘されています。皮膚常在菌としての重要な役割を担う一方で、長期の抗菌薬外用・内服治療によって耐性菌が選択的に生き残ってしまう現象です。


参考)https://www.thcu.ac.jp/uploads/imgs/20210420091120.pdf


耐性菌の存在は治療効果の低下に直結します。


これは検索上位の記事ではあまり詳しく触れられていない視点ですが、ざ瘡治療の長期化や再発を招く要因として臨床現場で注意すべき点です。抗菌薬単独での漫然とした治療ではなく、過酸化ベンゾイルやレチノイド系外用薬を組み合わせた治療戦略が、耐性菌対策として推奨される場面が増えています。処方設計の際は、耐性化リスクを念頭に治療期間や併用薬をカルテに明記しておくことが望ましいでしょう。


ざ瘡と薬剤耐性アクネ菌の関係について、皮膚常在菌としての役割とあわせて詳しく解説されています


アクネ菌の生息部位や増殖メカニズムについて、専門的な観点から分かりやすくまとめられています

[指定医薬部外品] 大正製薬 新ビオフェルミンS錠 550錠×3個パック(1,650錠) 整腸剤【Amazon.co.jp限定】 [乳酸菌/ビフィズス菌/フェーカリス菌/アシドフィルス菌 配合] 腸内フローラ改善 便秘や軟便に